アレクサンドル・ファデーエフ(ソ連)

8889シーズンFS「禿山の一夜」

http://www.youtube.com/watch?v=5UUIUrVnQvg&feature=player_detailpage

 彼の滑るものはどれもこれも「で、どこが余白ですか?」と言わんばかりに詰め込んであって、そりゃあもう自爆するでしょうという密度を誇っていましたが、せわしなさ過ぎて、観ていて疲れることも。そういうバランスや出来栄えも含めて、色々観た中で最も良かったと思えるのがこれです。コンパルソリーを徹底して滑り込むと、こういうスケーティングが出来上がるんでしょうか。

 

 

フィリップ・キャンデローロ(フランス)

9798シーズンFS「ダルタニヤン」(振付:ジュゼッペ・アリーナ)

http://www.youtube.com/watch?v=aDb3fuvslfc&feature=player_detailpage

 日本人オールドファンならこれは挙げなきゃ嘘ですよね。確かに、フィギュアスケートの技術として何もやってないところもたくさんある。でも、これ以上ショーアップすると堕する、そのぎりぎりの一線を、鮮やかに、見事に渡り切った名演でしょう。そしてまた、彼のキャラクターと、音楽と振付が、これ以上無い純度の結晶になったという意味でも、やはり希代の名演ではあると思います。

 

 

イリヤ・クリムキン(ロシア)

9900シーズンFS「牧神の午後への前奏曲」

http://www.youtube.com/watch?v=T746wFOKplA&feature=player_detailpage

 思い出深いスケーターの1人ですが、敢えてひとつ選ぶなら、お気に入りはこの作品。「ペトルーシュカ」とか「X-File」も好きですけどね。彼の、正回転・逆回転で続けるキャメルスピンが好きで、その動きが最もハマっていたのはこの音楽じゃないかなぁとか。

 

 

エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)

0001シーズンFS「ボレロ」(振付:エドワルド・スミルノフ、ダヴィド・アウディッシュ)

https://www.youtube.com/watch?v=LQo4mLyGsNE

0506シーズンSP「トスカ」(振付:エドワルド・スミルノフ、ダヴィド・アウディッシュ)

http://www.youtube.com/watch?v=0ieMEfklmuI&feature=player_detailpage

 良くも悪くもアクが強すぎる彼ですが、この2作は最上の意味でその強烈な個性が炸裂しています。最早存在感に破壊力があると言った方が相応しい。21世紀に入った瞬間にトーヴィル&ディーンの神話を一撃粉砕した「ボレロ」そして、トリノオリンピック男子の2番手として登場し、既に試合を終わらせてしまった「トスカ」。好き嫌いはともかくいろんな意味で不世出のスケーターではあると思う。

 

 

マイケル・ワイス(アメリカ)

0102シーズンFS「ラ・ボエーム/トゥーランドット」(振付:リサ・ソーントン=ワイス)

http://www.youtube.com/watch?v=lGyqvRR8qJI&feature=player_detailpage

 ザ・アメリカンな雰囲気が最も相応しいスケーターだとは思いつつ、彼の最高の名演と言えばこれなんですよね。地元で、トッドとエルヴィスという2人の偉大な先輩の心意気を汲んでしまった。その辺りに彼の人柄の良さも出ているような気さえします。

 

 

イワン・ディネフ(ブルガリア)

0102シーズンSP「ブエノスアイレスの春」

http://www.youtube.com/watch?v=IR8sepfr4X0&feature=player_detailpage

0102シーズンFS「二つの世界」

http://www.youtube.com/watch?v=6kr27nM1FCg&feature=player_detailpage

 たまたま観た生が上記の2作でした。FSに関しては、まさにこの画像の演技を観ています。で、それがたまたま個性的で面白かったが故に、そのままキャリアの最後まで見守ることになった、思い出深いスケーターです。

 

 

スタニック・ジャネット(フランス)

0203シーズンFS「星の王子様」(振付:パスクァーレ・カメレンゴ&グェンダル・ペイゼラ)

http://www.youtube.com/watch?v=O-yyzT2093E&feature=player_detailpage#t=7s

何気にカメレンゴの振付師デビュー作。ジャネットはミステリアス系のスケーターだと思っていたので、こういう表現が出来ることに驚きましたし、最後に残るペーソスの余韻が何とも言えません。

 

 

フレデリック・ダンビエ(フランス)

0102シーズンFS「ラ・ボエーム/サムソンとデリラ」

http://www.youtube.com/watch?v=eY-Ap3D8Nlk&feature=player_detailpage

0304シーズンFS「ムーラン・ルージュ」(振付:アレクサンドル・ズーリン)

http://www.youtube.com/watch?v=5fgNmOEa2EQ&feature=player_detailpage

 小柄だけどフランスらしい洒脱な雰囲気と美しいラインを持ったスケーター。「サムソンとデリラ」以外はフランス・テーマですが、いかにも粋でお洒落な雰囲気です。それと彼はイーグルの姿勢がとても綺麗ですね。

 

 

李成江(中国)

0001シーズンFS「カンフー」

http://www.youtube.com/watch?v=YGRFHRF--cs&feature=player_detailpage

 長い付き合いになった、お馴染みさんの1人。色んなプログラムがあり、当たりもハズレもあったけれど、一番印象深いものと言えば、やはりこれだろうなぁ、と思います。彼にとって無理のない動きが、面白く出来ている。衣装と合わせると孫悟空みたいですね。

 

 

ケヴィン・ヴァン=デル=ぺレン(ベルギー)

0506シーズンFS「パイレーツ・オブ・カリビアン」

http://www.youtube.com/watch?v=1Qe6t7Gm7uw&feature=player_detailpage

 付き合いが長くなるままに、思い入れも深くなっていった1人。代表作というわけではないけれど、これを滑っている時の彼は格好良かったな、と思いまして。

 

 

ジョニー・ウェアー(アメリカ)

0506シーズンSP「白鳥」(振付:タチアナ・タラソワ)

http://www.youtube.com/watch?v=uJ9yzlAiHFc&feature=player_detailpage

0910シーズンEX「ポーカーフェイス」

http://www.youtube.com/watch?v=RmzpCzQiGFM&feature=player_detailpage

 「白鳥」は何かと名演が多い作品ですが、オクサナ・バイウルと並んで筆頭に来るのが彼のこの作品でしょう。それにしても、男性の体でよくこれだけ繊細に「瀕死の白鳥」風が出来るものです。彼がゲイだから言うのではありませんが、「ポーカーフェイス」も含めて、女性っぽい方向へ寄った時に良い作品を生み出しますよね。

 

 

エヴァン・ライザチェック(アメリカ)

0506シーズンFS「カルメン」(振付:オレグ・エプスタイン)

http://www.youtube.com/watch?v=y8vqBmzsBR0&feature=player_detailpage

 彼の代表作と言うと、やはり世界選手権や五輪で金を取った時のものになるんでしょうけれど、それよりはこのくらい攻めていた時の演技が好きだなぁと思います。シンプルでストイックで格好良かった。

 

 

トマーシュ・ヴェルネル(チェコ)

0607シーズンFS「グリーン・デスティニー」

https://www.youtube.com/watch?v=EI_M8u_XX1I

0910シーズンSP「その男ゾルバ」

http://www.youtube.com/watch?v=amCQpff-fmM&feature=player_detailpage

 小芝居をさせたら傑出した演技力を発揮するスケーターです。力強くて格好良い系も、コミカルでキャラクターが強い系もいけるという稀有なスケーターなのに、どうしてこんなに成績が安定しないんでしょうか…

 

 

デニス・テン(カザフスタン)

1213シーズンSP「アーティスト」(振付:ローリー・ニコル)

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=M3xT8O73Fio

1213シーズンFS「アーティスト」(振付:ローリー・ニコル)

https://www.youtube.com/watch?v=ZppBu-yeihM

 同じ音楽をSPFSの両方で使うって、ありそうで無い上に、やっても飽きるとか、片方見劣りするとかになりそうなんですが、この2作は見事。テンちゃんの小回りが利く滑りが活きているし、お洒落で楽しい。

 

 

ジェレミー・アボット(アメリカ)

1314シーズンFS「エクソジェネシス」(振付:佐藤有香、ジェレミー・アボット)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=CDzqxpi_Gs8

 何処が見せ場でしたかって言われて、「はて?」と首を傾げる。そんな勢いで地味なスケーターですが、いつもいつも、吸い込まれてはじっくりと観てしまい、最後には「いいもの観たなー」と深々溜息をつく。そのパターンを、一体何回繰り返したでしょう。いつまでも、何度でも味わい深い、最早スルメを越えた何かです。

 

 

織田信成(日本)

0607シーズンSPFly me to the moon」(振付:デヴィッド・ウィルソン)

http://www.youtube.com/watch?v=nfWBI_aABKY&feature=player_detailpage

 1本挙げろと言われれば、迷わずこれ。緩めで暖かい雰囲気、にこやかな表情が似合うというところは彼の個性にぴったりですし、その範囲で大人っぽく粋な空気を醸し出して、絶妙に差別化している。この頃が彼の全盛期だったかなぁ…

 

 

小塚崇彦(日本)

1416シーズンFS「イオ・チ・サロ」(振付:ローリー・ニコル)

https://www.youtube.com/watch?v=bnqHYxIp1gc

 長らく「何かひとつ」と言われても、何にしようかピンとこなかったのが、彼。何を観てもそこそこいいんだけど…というのが、ある意味彼の立ち位置だったのかもしれませんね。そんな彼の、最後のFSとなった作品がこれですが、ただ胸に響いて、涙が出てしまいました。彼の滑りはいつ見ても本当に美しいし、地味だけど長きに渡って積み上げた

 

 

羽生結弦(日本)

1112シーズンEX「ホワイトレジェンド」(振付:阿部奈々美)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=tPyx92EZ6ho

1314シーズンSP「パリの散歩道」(振付:ジェフリー・バトル)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=Bk6qrBrqAqo

1314シーズンFS「ロミオとジュリエット」(振付:デヴィッド・ウィルソン)

https://www.youtube.com/watch?v=9zB5tQhLmt0

1617シーズンFS「天と地のレクイエム」(振付:シェイリーン・ボーン)

https://www.youtube.com/watch?v=yZxDCfgVfTc

 実の所、彼が何者なのか、私にはまだ分かりません。適切な言葉が見つからない。最初に目についた時は、流麗な王子様系でした。で、その集大成が、恐らくロミオ。「時節の花」としてロマンチック・ヒーローをやって誰よりも様になる、久々の本格的貴公子スケーター。でも、それだけじゃないんですよね。もっと強い。何度でも限界を突破する、「俺を超える俺」。そんな、少年漫画みたいなキャラでもある。実際、彼が会心の演技をした時の表情って、少年漫画のヒーローのそれだと思います。

 

 

無良崇人(日本)

1617シーズンSP「ファルーカ」(振付:チャーリー・ホワイト)

https://www.youtube.com/watch?v=TBb2oo7bKPg

 胸のすくような、豪快なジャンパー。長らくそれだけ、というか、猫背という要らないおまけも持っていた彼ですが、よくぞ克服してくれました。それどころか、まさかこんな難しい曲を選んで、滑りこなす日が来ようとは。格好良い!

 

 

町田樹(日本)

1314シーズンSP「エデンの東」(振付:フィリップ・ミルズ)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=zaYfPjBgj5c

 結局、私は彼というスケーターの完成形を見なかったなと思っています。見ていたなら、「第九」がここにあった筈。でも、観ていて良い意味で集中力を要求され、疲れてしまうような濃厚な演技は稀有な持ち味でしたね。

 

 

宇野昌磨(日本)

1617シーズンFS「ブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラード」(振付:樋口美穂子)

https://www.youtube.com/watch?v=8eqgI6-DUTc

 駆け抜けていく少年を見ているのは、とても気持ち良いものです。でも、彼はあっという間に少年ではなくなってしまいました。それよりもっと強くて格好良い何かに、早々に化けてしまった。それから、彼はとっても小柄なんですが、既にこの年齢にして、その部分すら飛び越していきましたね。小回りとか何とか言わなくていい。説明不要の格好良さを備えていると思います。

 

 

イヴァン・リギーニ(イタリア)

1415シーズンSP「スリラー/ビリー・ジーン」(振付:イヴァン・リギーニ)

https://www.youtube.com/watch?v=VGNWiEN0NG0

1516シーズンSPYou Rise Me Up

https://www.youtube.com/watch?v=jFSzytmRIvk(振付:ジェフリー・バトル)

 彼は本当に楽しそうに滑りますね。見ているこっちが楽しくなってしまいます。彼のとっておきであったろうマイケル・ジャクソンも、とびきりエモーショナルなバラードも、観ていて心地良く、楽しい。素敵な脇役スケーターです。

 

アダム・リッポン(アメリカ)

1516シーズンSPWHO WANTS TO LIVE FOREVER」(振付:トム・ディクソン)

https://www.youtube.com/watch?v=5j-2n3EPYPY

 個人的にとても好きな楽曲なんですが、よくぞここまでエッセンスを汲み上げて、スケートに昇華させてくれたとお礼を言いたい。朗々としているだけでは駄目、切々としているだけでは足りない。感動的だけど繊細で、余韻もちゃんとある。それこそが、この名曲。終盤のリッポン・ルッツからの流れが白眉です。

 

 

ハヴィエル・フェルナンデス(スペイン)

1517シーズンSP「マラゲーニャ」(振付:アントニオ・ナハロ)

https://www.youtube.com/watch?v=JsbSrL0HVf4

 これまでも複数の素晴らしいフラメンコ作品をフィギュアのために振り付けてきたアントニオ・ナハロですが、実際にはフラメンコ界の偉い人です。そして、多分彼のフラメンコ作品の、ひとつの到達点になりそうな秀作です。スペイン人だからフラメンコが滑りこなせるわけではないと思う。でも、この音楽と動きは、彼の血肉になっている感じがする。二枚目半の演技が多い

 

 

ジェイソン・ブラウン(アメリカ)

1517シーズンFS「ピアノ・レッスン」(振付:ロヒーン・ワード)

https://www.youtube.com/watch?v=SXjNKEK0x8Q

 彼の滑りは静かだけどとても雄弁です。滑りながら、全身が音楽を語る。その前身のラインが綺麗で、それを支える滑りが綺麗で、音楽が綺麗で――滑り終わると、リンクの空気が綺麗になっているような気がします。

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