伊藤みどり(日本)

8889シーズンFS「恋人たちのロンド」(振付:山田満知子)

http://www.youtube.com/watch?v=hKGasODrAcU&feature=player_detailpage

 私がまだ子供だった頃のものですが、やはり、その後の歴史の中で、彼女を上回るジャンパーは存在しませんね。この演技そのものが金字塔。それから、表現するのは難しいけれど…ジャンプが無ければみどりさんの演技ではない。それは間違いないことです。でも、彼女は決してジャンプだけのスケーターではない。それも確かなこと。スピードや迫力、心を開いて滑る喜びを客席と分かち合う心。それらすべてが、彼女の魅力だったと思います。

 

 

クリスティ・ヤマグチ(アメリカ)

「ゴールド」(振付:サンドラ・ベゼック)

http://www.youtube.com/watch?v=S5lx5YkzZBc&feature=player_detailpage

 このタイトル、この歌詞の内容に相応しい、見事な輝きをたたえた演技です。とても穏やかで、落ち着いていて、気品に溢れていて。この曲を本気で滑って、嫌味でも痛くもないのは、彼女がそれだけの内実を備えたスケーターだったから、だと思うんです。

 

 

オクサナ・バイウル(ウクライナ)

9394シーズンSP「黒鳥」

http://www.youtube.com/watch?v=Y6zKfZVurJY&feature=player_detailpage

9394シーズンEX「瀕死の白鳥」

http://www.youtube.com/watch?v=3bH0CAPzef8&feature=player_detailpage

 二羽の白鳥。氷の上でバレエ風の動きをやって、最も美しかったスケーターです。ポール・ド・ブラという言葉を使っても許されるのは、彼女とペトレンコの2人だけだと思う。黒鳥を演じていてさえ、可憐の一言。いわんや白鳥をや、です。

 

 

タラ・リピンスキー(アメリカ)

9798シーズンFS「レインボー(振付:サンドラ・ベゼック)

http://www.youtube.com/watch?v=F_lGt6auYDo&feature=player_detailpage

 子供ならではの輝きに満ちているけれど、決してただの子供ではない演技でもあります。全身が気持ち良く伸びていて、滑りそのものも伸びやかで、持って生まれた才能を素直に出し尽くしている感じ。そして、「滑る喜びを全身から放つ」という意味において、彼女はある意味、伊藤みどりの後継者だったと思っています。

 

 

ヴァネッサ・ギュスメロリ(フランス)

9900シーズンFS「レジェンド・オブ・フォール」

http://www.youtube.com/watch?v=0FLgexOEvvs&feature=player_detailpage

 彼女はけっこうアイデアが光る滑りをするスケーターでしたが、案外こういうシンプルなものが美しかったりします。しなやか、という言葉がよく似合う、強くて柔らかい優雅さが印象的。フォークロア調の衣装も素敵です。

 

 

ルシンダ・ルー(スイス)

「ロマンツェ」(振付:ダグラス・ウェブスター)

http://www.youtube.com/watch?v=sJ_ou7cSY_I&feature=player_detailpage

「マーシー」(振付:ロビン・カズンズ)

https://www.youtube.com/watch?v=NbvE0EivTiI

 ルシンダの演技はどれも素敵ですが、クラシック系とモダン系からひとつずつ。クラシック系は本当は「ただ憧れを知る者だけが」が好きなのですが、動画が見つからなかったので、こちらで。彼女のレイバックスピンを観ていると、他のスケーターのは観られなくなりますね。まるでフルートグラスです。

 

 

サーシャ・コーエン(アメリカ)

0102シーズンSPMy Sweet & Tender Beast」(振付:ジョン・ニックス)

http://www.youtube.com/watch?v=z1gJ5H3ubfA&feature=player_detailpage

0304シーズンFS「白鳥の湖」(振付:タチアナ・タラソワ)

http://www.youtube.com/watch?v=g0sET5npKuk&feature=player_detailpage

0405シーズン・0506シーズンSP「黒い瞳」(振付:マリナ・ズエワ)

http://www.youtube.com/watch?v=-mgTEXcTbis&feature=player_detailpage

 彼女も長い付き合いだったので、思い入れのある作品はそれなりにたくさん。やっぱり強いイメージ、インパクトを持っている作品が似合います。時々、足元が物凄くガタガタしているのは気になったんですが(苦笑)ラインの美しさと強靭さは別格だと思う。

 

 

エレーナ・ソコロワ(ロシア)

0506シーズンFS「ロミオとジュリエット」(振付:アーラ・カプラノワ)

http://www.youtube.com/watch?v=6cc5-kFprF0&feature=player_detailpage

 彼女は「ロミ・ジュリ」は2パターン滑っていますが、これはヴァージョン・ロミオ。多分けっこう悪ガキですね。格好良さに徹した振付が素敵です。女子の作品で、ここまでボーイッシュに徹した作品も稀ですが、見事にハマっていると思う。

 

 

エレーネ・ゲテヴァニシヴィリ(グルジア)

0506シーズンSP「グラナダ」(振付:タチアナ・タラソワ)

https://www.youtube.com/watch?v=XGDLO23nn2I

 彼女も思い入れ深いスケーターですが、唯一惜しむらくは、デビューのこの作品を超えるインパクトを、未だ与えてくれないことかな。印象としてはサーシャに近いものを持っている、とても強靭なスケーターだと思うんですけど。

 

 

キーラ・コルピ(フィンランド)

1011シーズンSP「虹の彼方に」(振付:シェイリーン・ボーン)

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=YnU_j_ZA-tc

1415シーズンSP「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」(振付:ジェフリー・バトル)

https://www.youtube.com/watch?v=KBVOj6EBkYI

 美しい人には美しいプログラムを。前者の、抑えた中にも漂う華やぎとエレガンス。後者の、洗練された洒脱さ。どちらもまさしく彼女の持ち味だと思います。そしてこれは、ヨーロッパのスケーターならではの個性だとも思う。

 

 

荒川静香(日本)

「フローズン」(振付:シェイリーン・ボーン)

http://www.youtube.com/watch?v=zJX28lew4h4&feature=player_detailpage

 実は私は現役時代の彼女の滑りは、どうしてもベタッとした印象があって苦手だったんですが(能力の高さとは演技の質はさておいて)、現役引退後、この演技を観て初めて「あ、素敵だ」と思いました。そういう意味で、ちょっと記念に。

 

 

太田由希奈(日本)

0304シーズンSP「ピカソのダンス/オモタイ」(振付:トム・ディクソン)

http://www.youtube.com/watch?v=L0LvJxsA88A&feature=player_detailpage

0607シーズンEX「白鳥の湖」(振付:カタリーナ・リンデン)

http://www.youtube.com/watch?v=d4FxO8ttoUc&feature=player_detailpage

 故障で現役を断念せざるを得なかったのが、心から惜しまれるスケーターです。世界的にも稀なほど、踊ることに長けたスケーター。しかも、かなりの程度、ジャンルを超越して音楽を使えた。そういう意味で、ここではコンテンポラリーとクラシックの2作品を用意しました。

 

 

澤田亜紀(日本)

0708シーズンFS「レ・ミゼラブル」(振付:トム・ディクソン)

http://www.youtube.com/watch?v=3F5f3AQG0ag&feature=player_detailpage

 花の88年組から。明るくてパワフルで、観ているだけで元気になれるスケーターでした。というわけで、とりあえず演技もそういうものを選んであります。

 

 

武田奈也(日本)

0607シーズンSP「タンゲーラ」(振付:阿部奈々美)

https://www.youtube.com/watch?v=RH4KEIo-vBA

 同じく花の88年組から。私の中では、最も美しいレイバックスピンを使いこなす1人です。元気印でダンサブルなプログラムが似合う子でしたが、1本選ぶならこれかなぁ。

 

 

中野友加里(日本)

0809シーズンFS「ジゼル」(振付:マリナ・ズエワ)

http://www.youtube.com/watch?v=Jh3xKviCJPk&feature=player_detailpage

 正直、やや地味ではあるけれど、清楚・可憐そして実直という、古き良き日本のヒロインみたいな持ち味のスケーターです。そして、その個性が最もハマッていたのはこの演技かなと。この衣装がここまで似合ってしまうだけでも凄いと思う。

 

 

安藤美姫(日本)

0607シーズンEXI Believe」(振付:小山朋昭)

http://www.youtube.com/watch?v=3PcjrUDcoLw&feature=player_detailpage

0708シーズンFS「カルメン」(振付:ニコライ・モロゾフ)

http://www.youtube.com/watch?v=z4AVPUpVBbU&feature=player_detailpage

1011シーズンSP「ザ・ミッション」(振付:ニコライ・モロゾフ)

http://www.youtube.com/watch?v=IUZuZ84oaQ0&feature=player_detailpage

 彼女も足かけ10年以上のお付き合いをしたスケーターですので、思い入れのあるものはそれなりに。「I Believe」は、正直初めて彼女を良いと思った演技。「カルメン」は、あざといくらいの女らしさを出せる彼女ならではの演技。そして、すべてを越えて女性美を大成させたのが「ミッション」というのが、私の中のイメージです。

 

 

浅田真央(日本)

0910シーズンEX「カプリース」(振付:タチアナ・タラソワ)

http://www.youtube.com/watch?v=T2Tu1G8D8tA&feature=player_detailpage

1011シーズン・1112シーズンFS「愛の夢」(振付:ローリー・ニコル)

https://www.youtube.com/watch?v=IBVzHmKg2Og

1314シーズンSP「ノクターン」(振付:ローリー・ニコル)

http://www.youtube.com/watch?v=xm9F-lSuArQ&feature=player_detailpage

1516シーズンFS「蝶々夫人」(振付:ローリー・ニコル)

https://www.youtube.com/watch?v=zLHt8fsEwG4

彼女は風の様に滑る、というのは山田満知子コーチの名言なんですが、これらはいずれもその演技です。鮮やかな旋風の「カプリース」、花を舞い散らす微風の「愛の夢」「ノクターン」、ゆったりと大きく吹く「蝶々夫人」。個人的なことを言えば、彼女の演技は振付も出来も当たり外れが大きいですが、当たった時の輝きは、やはり稀有なスケーターだと思います。

 

 

村上佳菜子(日本)

1011シーズンSPJumpin’ Jack」(振付:樋口美穂子)

http://www.youtube.com/watch?v=IJS5814NFNg&feature=player_detailpage

1213シーズンFS「タンゴ」(振付:樋口美穂子)

http://www.youtube.com/watch?v=9Xk3wChT0bc&feature=player_detailpage

彼女の魅力は他にもたくさんあって、優雅な滑りも劇的な演技も出来るんだけど、最初の愛らしさと勢いが、やはり印象深いですねぇ。そして、それを超えてくれたのが「タンゴ」。こうやって音を拾って踊れるスケーターになりました、という事実を、過不足無く表現してくれていると思う。

 

 

今井遥

1314シーズンSP「無言歌」(振付:ナタリア・ベステミアノワ&イゴール・ボブリン)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=G1j3K40_JqM

 良くも悪くも、地味。でも、優しくて上品な演技をする子ですよね。よくある話で、成績がちょっと下り坂になってからの方が好きなんですけど(涙) 頑張って欲しいスケーターの1人です。

 

 

本郷理華

1415シーズンFS「カルメン」(振付:宮本賢二)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=AD9fke641Co

1516シーズンFS「リバー・ダンス」(振付:宮本賢二)

https://www.youtube.com/watch?v=DOfmNoOFcwY

 「カルメン」という音楽を使うスケーターは掃いて捨ててもまだ余りますが、「カルメン」というキャラクターを演じたスケーターは数少なく、演じきれたスケーターはもっと少ない。これはその貴重な一作です。スケール感があって、とても華やか。一方の「リバー・ダンス」は数あるこの音楽を使った作品の中でも屈指の出来栄えでしょう。メリハリの塊のような音楽は、どちらかと言えば長身のスケーターには難しい筈。それを、いとも快活に小気味良く滑りこなしてくれます。

 

 

ヴァレンティーナ・マルケイ

1314シーズンSP「帰れソレントへ」(振付:マッシモ・スカリ)

http://www.youtube.com/watch?v=R5K1CWyLMDM&feature=player_detailpage

1314シーズンFS「ナイヤ」(振付:佐藤有香、ロベルト・カンパネラ)

http://www.youtube.com/watch?v=CW4pGZs4ILw&feature=player_detailpage

 ブロンズ肌に白い衣装が映えるSPは、伸びやかで清楚で、どちらかと言えば元気溌剌で通ってきた彼女のイメージからすると異色の作品でした。でも、その意外さも含めて素敵だった。一転して黒い衣装のFSは、パンチの効いたイイ女。「大人の女」っていうフレーズはあまりにも安直だけど、実際そういうコンビネーションで攻めたシーズンだったと思います。

 

 

エリザヴェータ・トゥクタミシェワ(ロシア)

1415シーズンSP「ボレロ」(振付:ユーリ・スメカロフ)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=KZef92jI_iI

1415シーズンFS「バトワニス・ビーク」(振付:ウラジミール・ジルバナ)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=5ln3C21V6e0

 「ボレロ」と言うと、音楽のクレッシェンド部分に焦点が当たることが多かったのですが、彼女は昂揚感と官能性を汲み上げたんですね。それも、僅か十八歳という若さで。ドンと構えた迫力と色香を兼ね備えてしまった彼女は、これからどんな大人になるんでしょうか。とても楽しみです。

 

 

ユリア・リプ二ツカヤ(ロシア)

1415シーズンFS「ロミオとジュリエット」(振付:イリヤ・アヴェルブフ)

https://www.youtube.com/watch?v=zqwjW3xuhCk

 実は彼女の作品ではこれが一番好きです。ちょっと少女らしい可憐さや危うさとがよく似合うし、彼女の冷たい雰囲気の容姿には、実はこの音楽がとてもよく似合います。音楽が直接的に冷たいわけじゃなく、透明感で繋がっているんだと思う。また元気にこういう音楽を滑ってくれる様子も見たいのですが、

 

 

エフゲニア・メドヴェージェワ(ロシア)

1516シーズンSP「白夜の調べ」(振付:アレクサンドル・ズーリン)

https://www.youtube.com/watch?v=8s0UZTSP-r4

1617シーズンFS「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(振付:イリヤ・アヴェルブフ)

https://www.youtube.com/watch?v=5gMDOeJ525s

 何処をどう見ても子供なのに、何でこの音楽が、こういう風に滑れてしまうのか。寧ろ、この静かで陰影のある感じが、まさしく彼女の持ち味だとまで思えてしまうのか。不思議でなりませんが、それだけ稀有な才能を持ったスケーターということですよね。恐々と、括目して見守ります。

 

 

アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)

1516シーズンSP「弦楽とオーケストラのためのボレロ」(振付:ニコライ・モロゾフ)

https://www.youtube.com/watch?v=Cp4dJ4DEYgA

1617シーズンSP「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(振付:ミーシャ・ジー)

https://www.youtube.com/watch?v=qkGKhx3u-Gw

 「弦楽と〜」は、彼女自身がヴァイオリンの音色になったかのような滑りですね。流麗だけどモダンで強靭。長身のスリムなシルエットとも絶妙に合う。「セント・オブ・ウーマン」は、まさしくタイトルそのもの、さりげないけれど匂い立つような色気のあるプログラムです。百花繚乱のロシアの中に在って、特筆すべき天才ではないかもしれないけれど、自分だけの持ち味を見つけた、魅力的なスケーターだと思います。

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