宮原知子(日本)

【主な成績】

15世界選手権2位、16四大陸選手権優勝

 とても、小柄なスケーターです。通常、優雅さを演じるには多少の上背があった方が有利というのが持論なのですが、彼女はその適用外。花のように可憐ですが、少女っぽさではなく、たおやかで凛として、すこしオリエンタルなエレガンスの持ち主だと思います。

 

 

1415シーズン

SP「魔笛」)、FS「ミス・サイゴン」

 このSPは、彼女の中では寧ろ例外の「小柄なスケーター向け」。お人形さんみたいで可愛いですよね。それと、ごく個人的に、彼女のトレードマークである左右両回転のキャメルスピンが一番ハマっている演目だと思います。

 FS。「ミス・サイゴン」は、曲調からして、どうしてもオリエンタルになってしまう音楽だと思いますが、とてもよく似合いますね。可憐さと気丈さの配合具合が絶妙。私にとってはキム・ヨナの儚げな演技が忘れ難い曲でもあるんですし、曲の意味を考えると大幅に路線変更は出来ない。でも、同じミュージカルを別の俳優さんで観て面白いことが幾らでもあるように、知子ちゃんの、背筋を伸ばして悲劇に耐えているようなヒロインぶりも大好きなのです。

(振付 SP:ローリー・ニコル、FS:トム・ディクソン)

SP: https://www.youtube.com/watch?v=ZuHiSPsSqoY

FShttps://www.youtube.com/watch?v=h_Na4YT3e-w

 

 

1516シーズン

SP「ファイヤー・ダンス」、FS「ため息」

 SPは一応フラメンコですが、「リバー・ダンス」からなので、多分、本物よりすべてがライトです。曲調も、曲の意味も。だから、このくらい軽やかに演じて正解だと思う。

 FS。これは名作です。いかにもローリー・ニコルらしい、優雅で柔らかな振付で、彼女のたおやかさが十全に活かされている。そして何よりも流れが美しい。冒頭と終盤のスパイラルが印象的且つ象徴的ですが、実際には立ち止まっていたとしても、印象が途絶えないんですよね。まるで、熱い想いが籠った深いため息が零れて、ひっそりと一輪の花になって咲くような、とても抒情的な作品です。

(振付 SP:トム・ディクソン、FS:ローリー・ニコル)

SPhttps://www.youtube.com/watch?v=zI3Ar1AY12Q

FShttps://www.youtube.com/watch?v=a-OKJr6CqTI

 

 

1617シーズン

SP「ラ・ボエーム」、FS「惑星」

 このシーズンの彼女のテーマは「強い女性」だったようなんですが、なるほど、こういう演じ方もあるんだなと、後から納得しました。SPはプッチーニなので、元々がドラマチックでキャッチーな音楽ですが、全身からエネルギーを発散するような陽性の滑り。それを「強さ」と関連付けることは、即座には出来ないかもしれませんが、確かに「相手に強い印象を残す」ことであり、「相手に対して強く訴えかけること」ではあると思います。

そしてFSは、女子シングルにおける「強さ」の表現の一類型でしょうか。表現はあくまで女性的だけど、凛として気品を感じる演技です。それからこの演技は、観る側にそれなりの集中力を要求します。音楽がてんでキャッチーではない。静かなところから始まって、耳慣れた響きが来るのは本当に最後の三十秒だけ。そこまで緊張感を持って滑り切るのは簡単ではないと思いますが、一度引き込まれて集中力を呼び覚まされると、とても快感。そんな演技に巡り合えることも、フィギュアスケートの楽しみのひとつです。

(振付 SP:ローリー・ニコル、FS:トム・ディクソン)

SPhttps://www.youtube.com/watch?v=WwY1K3Btsuk

FShttps://www.youtube.com/watch?v=nK3w7hOMNOk

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