本田武史

【主な成績】

02ソルトレイクシティ五輪4位、0203世界選手権3

 

 しっとりと陰影のある雰囲気を醸し出させたら、並ぶ者無しの名手でした。そういう意味で、とても日本人らしいムードを持つスケーターであったとも思います。余韻の出し方や、イーグルでたくさん「語る」感じ。決して好調な時が多いスケーターではなかったけれど、いつも必ず見どころを作ってくれるスケーターでもあって、苛々したり、やきもきしたりしながら見守った、それも今は良い思い出です。

 

 

97-98シーズン

SP「木曽節」、FS「エル・シド」

 スピードに任せた感じのSPは、いかにも少年らしい作品。FSは、持てるだけの勇気を込めて背伸びをしました、というイメージで、これまた少年ぽさ前回。身長が伸びきらず、顔立ちもあどけなかったこの時代にはベストマッチしていた、今となっては懐かしい思い出です。

(振付:リー=アン・ミラー)

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=MxYlN8Ap2G4&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=spk4w0Hkc_I&feature=player_detailpage

 

 

98-99シーズン

FS「仮面の男」

 コーチと練習環境を変えて、一気に大人になった感があったシーズンです。このプログラムの凄いところは、マイム的な動きをたくさん入れているんだけど、お遊戯感が無くて実に優雅なところ。片膝をついて誓いを立てるところや舞踏会風のお辞儀はもちろんですが、フェンシングを擬したストレートラインステップ、あれがチャチにならないのは素晴らしいと思う。ある意味ペトレンコの個性そのままなんですけど、でもちゃんと彼の身の丈にも合っていましたから。

(振付:ヴィクトール・ペトレンコ)

 

FShttp://www.youtube.com/watch?v=DGja_i9L214&feature=player_detailpage

 

 

99-00シーズン

FS「古事記」

 日本人がやるには、ある意味ベタベタな音楽で、どことなく空手っぽい雰囲気の振付も、かなり外国人受けを狙った感があります。ただ、全体的に華やかで柔らかな動きが多かった前作に対して、ハリのある直線的な動きとシンプル・イズ・ベストな感じの振付が好対照を成していて、戦略としてはなかなか良いのかなと思います。

(振付:リー=アン・ミラー)

 

 

00-01シーズン

SP「ドン・キホーテ」、FS「アランフェス協奏曲」、EX「マンボ・マンボ」

 SPは日本を代表するバジル・ダンサーの1人である、高岸直樹さん直々の指導を受けたとか。その甲斐あってポーズが決まっている部分も多々ありますが、ポーズとポーズの移行の部分がちょっと甘いかな、という感じ。転じてFSは文句なく彼の代表作であり最高傑作でしょう。戦場から戻った兵士の物語。哀愁を帯びた音楽を全身で奏でます。掻き鳴らされるギターの音に合わせたステップシークエンスも美しいですが、イーグルで、余韻をたっぷり残すフィニッシュが何よりも印象的です。彼はイーグルの名手でしたね。一転してEXは明るい音楽で踊りまくり。ひとつひとつの作品を対比させていっても面白いシーズンです。

(振付:ローリー・ニコル)

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=B3yS8dZ9xQE&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=h9SxUPJdVGc&feature=player_detailpage

 

 

01-02シーズン

SPSing Sing Sing」、FS「ラプソディア・キューバナ」

 結局、SPFSも前作に戻してしまいますが、それがいかにも勿体無い良作でした。SPは後にEXとして復活しますが、歯切れよくイナセな感じのジャズナンバー。後半のストレートラインステップがハイライトです。FSは「アランフェス」の系譜に連なる作品。「ドン・キ」に顕著なように、彼は決して踊りそのものが上手いスケーターではないのですが、ミディアム・スローの叙情的な音楽に乗せると、両腕が見事に奏でるんですよ。その部分はアランフェスから引き継がれていて、ラテンナンバーだけに、最後の1分で歓喜に転じ、軽やかに華やかに打ち上げる、その部分は「ドン・キ」とも「Sing Sing Sing」とも繋がっていると思います。

(振付:ローリー・ニコル)

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=B5CLRGlYcdA&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=jaS_zpYHpa4&feature=player_detailpage

 

 

02-03シーズン

SP「レジェンダ」、FS「ハムナプトラ」「リバー・ダンス」、EX「ムーラン・ルージュ」

 SPはカート・ブラウニングの、記念すべき振付師デビュー作。それだけに、あまりにもブラウニングの色が出すぎていて、特にステップは彼には厳しかったかもしれない。でも、そのギリギリ感も含めて、洒脱で格好良かったんですよ!アクセルからスピンに入る、何てことない繋ぎがいかにも粋だし、誰もがトゥステップしか踏んでいなかったこのシーズンに、あれほど込み入ったエッジステップを踏みまくってくれたことの価値は大きい。ただ、それだけに、FSが興ざめかもしれないですね。地味すぎて没になった「ハムナプトラ」も、ジャンプとトゥステップしかない「リバー・ダンス」も。

 でも、EXでそのフラストレーションはかなり癒されます。彼は大物の先輩からいろんなプログラムを貰っていますが、これもそのひとつ。一本調子の音楽が、テンションだけでなくスピードまでアップしていく、けっこう過酷な音楽ですが、工夫を凝らしたムーヴメントの数々で、飽きずに見せてくれます。で、ありながらテクニックに走らず音楽表現が出来ているのが、けっこう凄いことだと思うのです。

(振付 SP:カート・ブラウニング、FS:ジュゼッペ・アリーナ、ニコライ・モロゾフ、EX:ブライアン・オーサー)

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=x6jEyFyZ1so&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=Ei80sMT8050&feature=player_detailpage(リバー・ダンス)

EXhttp://www.youtube.com/watch?v=bEYyoe2nlY0&feature=player_detailpage

 

 

inserted by FC2 system