ドロタ・ザゴルスカ&マリウス・シュデク(ポーランド)

【主な成績】

02ソルトレイクシティ五輪7位、99世界選手権3位、07欧州選手権3

 

 殆ど10年選手と言っても良いくらいの長い時間を、世界のトップ10で過ごした組でした。目に見える栄光を手にしたのはその前半〜中盤だったかもしれませんが、花開いたのは実は後半だったと思っています。元々、変幻自在で豪快なリフトは抜きんでていましたが、実直な反面垢抜けない雰囲気も持っていた彼らが、最後の4年で驚くほど洗練され、心に訴える演技をするようになった。そこまで見守っていたことだけでも、感慨無量でした。

 

 

0102シーズン

SP「セントルイス・ブルースマーチ/Sing Sing Sing」、FS「パン・タデウシュ物語」

 明るく元気なSPも、ポーランドの英雄をテーマにした威風堂々としたFSも、このシーズンまでの典型的な彼ら、すなわち「きびきびとして清潔感があり、とても好感が持てるけれど、地味で垢抜けない」そのものです。とっても丁寧で真面目さを感じる滑りで、だからこそ私は当時から彼らがお気に入りだったんですけどね。

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=XJkWBuR_6ug&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=1JHj4AcxTI4&feature=player_detailpage

 

 

0203シーズン

SP「ロード・オブ・ザ・リング」、FSXotika

 コーチを変え、練習拠点をカナダに移し、ドロタはトレードマークだったポニーテールもバッサリ切って、すべてを一新したシーズン。そして彼らは、見違えるほど洗練されました。ホビット庄の音楽を中心に、穏やかな優しい編曲がされたSPは、ほっとするような味わいですが、既に田舎っぽさは無いんですね。すごく地味だけど、ペアスピンコンビネーションの前に、マリウスがドロタの肩をぽんと叩く箇所が、何気にほっこりします。FSSF調の音楽に合わせてシャープな滑り。この「研ぎ澄まされた」という感覚自体、ついぞ彼らからは感じなかったものなので、当時凄く驚いたのを覚えています。

 

FShttp://www.youtube.com/watch?v=LeTBvLWpzGc&feature=player_detailpage

 

 

0304シーズン

SP「海の上のピアニスト」、FS「ワルシャワコンチェルト」

 このシーズンの白眉は何と言ってもSP!叙情的な美しいプログラムですが、随所にベテランならではの深い味わいも滲んでいて、何度観ても溜息が出てきます。数年前まで「垢抜けない」の代表格みたいだった彼らに「お洒落」という賛辞を贈りたい日が来ようとは、往時夢にも思いませんでした(苦笑) でも、この現実は夢よりも素敵ですね。FSは正統派のダイナミック系です。

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=-nZ-bDQs_mk&feature=player_detailpage

FS: https://www.youtube.com/watch?v=yQH63HfXYrE

 

 

0405シーズン

SP「人と罪」、FS「ザ・ミッション」

 このシーズンのラインナップを観ていると、彼らはいつのまにか叙情派になったのかな、という気がしてきます。特にシンプルなSPFSは私の中では彼らの代表作なんですが、ダンスリフトで始まって終わるのがとても印象的。そして、磨き抜かれた変幻自在のリフトが、感動的でミディアム・スローなこの音楽に一際映えるのです。とても堂々とした印象で、特に彼らのトレードマークであるアップサイドダウンのポジションのリフトが素晴らしい。キャリーになった時は、フィニッシュのポジションよりも何よりも、音楽の元ネタである十字架に見えました。

 

SPhttps://www.youtube.com/watch?v=mYC80B-NYaM

FS: https://www.youtube.com/watch?v=yqATVfuthi4

 

 

0506シーズン

SP「薔薇色の人生」、FS「ザ・ミッション」

 彼らは3度の五輪に出ていますが、大きなミス無く終われたのはこのシーズンのトリノだけでした。そこに、個人的に彼らの代表作と思うこのFSが来てくれたことが、とても嬉しいです。SPは久々にレトロ系ですが、すっきりと綺麗に見せてしまえる辺りに、隔世の感を覚えます。

 

 FShttp://www.youtube.com/watch?v=4wH3-nhIMgA&feature=player_detailpage

 

 

0607シーズン

SP「」、FS「ショパン  メドレー」

 欧州選手権の表彰台でキャリアの最後を飾ったプログラムたち。シャープなSPも印象的ですが、何よりもFSが沁みます。この作品は、最良の意味でシンプル。ノクターン、革命、ポロネーズとショパンの代表的な曲を連ねたメドレーに合わせて、彼らが長いキャリアで培った堅実な技術と、キャリア終盤で磨き抜いた美しいラインを堪能させてくれます。彼らほどスムーズにスライディングからリフトに入れるペアは居ないし、彼らほど美しいアップサイドダウンポジションのリフトを見せてくれる組も居ない。彼らが築いた勲章のような事実が、シンプルに浮かび上がるような作品。そういう意味で、キャリアの締め括りとして、この上ない作品だと思います。

 

FS: https://www.youtube.com/watch?v=UTeTXv12F1k

 

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