ブライアン・オーサー(カナダ)

【主な成績】

84サラエヴォ五輪・88カルガリー五輪銀メダル、87世界チャンピオン

 

 アマチュア時代のキャリアも華々しいですが、それよりもプロ転向後、特に40代に入ってからが美しいスケーターです。その年代になっても軽やかなジャンプが決まることも重要ですが、ただ滑りながら、息を吸って吐いたらもう音楽、というような、豊かな音楽性の印象が最も強い。スローテンポをじっくり見せる表現が、その年齢ならではという感じでしたが、明るくパワフルな音楽にも適性があった様子。大人のスケーター、という言葉を使ってしまうのはあまりに安易かもしれないけれど、彼は確かにそうだったなぁ、と思います。

 

 

8788シーズン

SPSing Sing Sing」、FS「ボルト」

 アマチュア時代の演技で、唯一観たことがあるのが、地元開催だった五輪での演技。特筆すべきはSPでしょう。この曲を使ったプログラムは歴代数あれど、ノリと勢いの良さでは最高峰。音のインパクトを的確に捉えて、全身をフルに使った表現は爽快そのもの。ポジションチェンジを繰り返しながらスピードアップしていくスピンや、踊りまくるステップシークエンスが楽しくて、1分くらいで終ってしまうような錯覚を覚えます。FSも曲のインパクトが強く、要所要所に面白い動きを入れてはいましたが、自身のSP、そしてボイタノの風格を漂わせたFSと比べると、やや印象が弱くて損をした感アリ。

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=QSCr-A8T5qQ&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=wmoYP1oKQUU&feature=player_detailpage

 

 

「愛するデューク」

 00年のスケーターズ・チャンピオンシップで滑っていた作品。誰もが聴いたことのあるナンバー、エンタテイメントとして王道の作りですが、暴れず踊りすぎず、自然体で音楽に乗っている感じがとても快い作品。力を抜いて、気軽に楽しめる小品と言えるでしょう。

 

http://www.youtube.com/watch?v=9q0gLvJTrhE&feature=player_detailpage

 

 

「ある日どこかで」

 同じく00年のスケーターズ・チャンピオンシップからで、私はこれで彼のファンになりました。冒頭のターンが、コンパルソリー世代ならではの美しさで、もうそれだけで攫われた印象が。そして、あとは古き良き時代の美しい音楽にあわせて、ひたすら上品にエレガントに、落ち着きのある演技を見せてゆく。もちろん、バックフリップ+トリプルトゥといった型破りなコンビネーションでハイライトが作ってあったり、決してシンプルなプログラムではない、寧ろ地味にかなり凝った作品ではと思うのですが、小細工を全部抜きにして「スケート」として美しい。地味で静かなのに華がある。彼のキャリアの豊かさを、そのまま語るような名品です。

 

http://www.youtube.com/watch?v=8YpIQK6B9zo&feature=player_detailpage

 

 

「さやかに星はきらめき」

 上記2作品から更に数年後、40代もいい加減、半ばに差し掛かった頃の演技ですが、まだトリプルジャンプが平気で入るのが凄い。この人は一体、どんな練習をしてあれだけの技術をキープしていたんでしょうか。そして何よりも、クリスマスソングの超王道を、本来よりも遥かに(?)格調高く見せてしまえるのは、彼の「格」がなせる技だなと思います。

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