マリー=フランス・デュブレイユ&パトリス・ローゾン(カナダ)

【主な成績】

02ソルトレイクシティ五輪12位、0607世界選手権2位、07四大陸チャンピオン

 

 芸域の幅が広く、シーズン毎にがらりと印象を変えてくるカップルでしたが、共通していたのは、その軽やかさでしょう。高く独創的なリフトは、アクロバティックと言うことも出来るけれど、別の言い方をすれば天上志向。氷に貼りつかず、雲の上を飛ぶように滑る姿は、決して揺るぎませんでした。そして、様々なプログラムの末に辿り着いた、ノスタルジックでロマンチックなムードが最高にハマり、最高のフィナーレを迎えた、とても幸福なカップルだったと思います。

 

 

0102シーズン

OD「ブエノスアイレスのマリア」、FD「蝶々夫人」

 ODは…他の多くのプログラムと同じように、アルゼンチンへ行ってしまっていましたが、スパニッシュでなければ良作だったと思います。歯切れの良さとシャープさがタンゴに効いているし、彼ら独特の飛ぶようなスケーティングでもあるし。ダンスホールドを組んだまま入るリフトが、さりげなくお洒落で素敵です。FDは、日本人から見たら「おいおいおい」なジャポネスク趣味ですが、そこにさえ目を瞑れば、明朗で見どころの多いエンタテイメント。テンポの良い音の捉え方と、独創的なリフトの数々が映えています。それから、マリーさんの衣装にはアイデア賞を差し上げたい!

 

ODhttps://www.youtube.com/watch?v=syhrRz68fnk

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=Ex2-3BeyXSE&feature=player_detailpage

 

 

0203シーズン

FDDance with my heart

 スローでアンビエントな音楽ですが、意外と滑りはシャープだしスピード感もある。そのミスマッチ感が、「違和感があり、ざわざわする」と「引っかかる、気になる」の間で絶妙に揺れています。ただ、彼ら一流の独創的なリフトの箇所で、音楽と振付を一致させるんですよ。だから結局、「気持ち悪いから観ない」と言えずに引っ張られるんですよ。そのバランス感覚は、見事としか言いようが無い。そして最後まで観させられた後で、いつの間にか音楽と滑りが一致していたことに気が付いて、唖然とします。

 

FDhttps://www.youtube.com/watch?v=ux_HEAuO8Bs

 

0304シーズン

OD「ブギウギ/スウィング」、FD「パンクスパニッシュ・タンゴ」

 キャッチーではないなりに中毒性の高かった前のシーズンから比して、全体的に物足りない感じがあります。ODはノリは良いしアクロバティックだけど、ピンと来るものが無い感じ。FDは、タイトルを見ただけで「?!」と思いますよね。タンゴで、パンクで、スパニッシュって。確かに、タンゴだけど以前のようにアルゼンチン方面には行っていない。バンドネオンのリズムと、フラメンコの歌声。それに合わせて、ある意味淡々と、メタリックなダンスを繰り広げる。アイデアを面白いと言うことは出来ますが、ちょっとマニアック過ぎるかなー、とは思います。

 

FDhttps://www.youtube.com/watch?v=kXVbgzaPP24

 

 

0405シーズン

OD「雨に唄えば」、FD「ウィンターヴィジョン/タブー」

 ODは、ある意味彼らの中ではターニングポイントなのかもしれません。レトロ&ロマンチック路線のスタートラインにある作品ですから。ODはとかく曲がぶつ切りになりがちなのを、一曲で愛らしくまとめている辺りも品が良かった。FDは北米先住民族風(彼らに限ってカナダ先住民を意識していないとも限らないので、ネイティヴ・アメリカン風とは敢えて言わない)の衣装で、吹き荒ぶ風のような音楽に合わせた作品です。この作品、とにかくリフトが高い!あ、ルール上ここまでOKなんだ、とあんぐり口を開けてしまうくらい高い。でも、全体のシャープなテイストによく合っていて、そこだけ浮いてしまう感じがしないのが肝なんでしょうね。今回は素直に、アイデアの勝利だと思います。

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=DctFmBMdFc8&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=VMbjdCHjRdg&feature=player_detailpage

 

 

0506シーズン

OD「行かないで」、FD「ある日どこかで」

 彼らの、最上の意味での「濃さ」が輝き渡ったシーズンではないでしょうか。見つめ合っただけで、観ているこっちが赤くなってしまうような、セクシャルではないんだけど「濃い」空気感。それは、ODのルンバにも活きていたし、何よりも「永遠の恋物語」、彼らの最高傑作たるFDで頂点に達していました。デヴィッド・ウィルソンが初めて振付けたアイスダンス作品です。すべての動きが飛ぶように軽やかで、相当程度にアクロバティックなんだけど、同時に音楽的でもあるんです。高速のローテーショナルリフトでさえ奏でている。レトロでロマンチックで、甘ったるくなる寸前まで甘い、澄み切った音楽がそのまま動きに落とし込まれていました。

(振付:デヴィッド・ウィルソン)

 

ODhttps://www.youtube.com/watch?v=quyRSkZsT5o

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=zr5Lpn0UNto&feature=player_detailpage

 

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