イリーナ・ロバチェワ&イリヤ・アヴェルブフ(ロシア)

【主な成績】

02ソルトレイクシティ五輪銀メダル、02世界チャンピオン、03欧州チャンピオン

 

 形容するのが、ちょっと難しいカップルです。とても高度な技術を持っているのですが、ややハズレのプログラムが多い。どちらかと言うとドラマチックで叙情的なムードの持ち主だったと思うのですが、当時それを表現するのに主に使われていた方法を、あまり使わなかったというか。彼らの持つ高度なステップ技術を本当に活かしきる術を、そう幾つも持たなかったというか。そう、残念なカップルです。でも、ソルトレイクシティの最終グループがみんなそうであるように、私にとっては大切な思い出の一組です。

 

 

9798シーズン

OD「ロック・アラウンド・ザ・クロック/Keep Knocking on」、FD「ジーザス・クライスト・スーパースター」

 とても良いものを滑っているんだけど、何かが決定的に足りなくて、地味。彼らのキャリアの中には、こんな作品が多々あり、このシーズンのODもそのひとつ。冷静に観てみると、ちゃんとフロアダンスの動きも再現しているし、ステップは細やかで歯切れ良く、彼らが基礎からきちんと積み上げた技術を、ちゃんと氷の上に持ってきている。でも、多分衣装とかメイクとかオーラとか、そういう部分が地味で垢抜けない。だから評価されない。そんな匂いがしました。FDは定番の音楽に月並みな振付で、没個性に陥ってしまった感があります。

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=uTRxeEM-_yk&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=5ov8ox_bbjc&feature=player_detailpage

 

 

9899シーズン

OD「こうもり」、FD「ディアブロ」

 ODは相変わらず地味です。良いワルツなんだけど(涙) 対してFDは、すこしエキゾチックで個性的な音楽を使って、ステップに徹した振付。それが功を奏して、歯切れの良いエッジがきちんと見られる良作に。だから彼らは、技術的には、本当に良いものを持ってるんですよねー。

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=zsTt87_Zw14&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=k9qzaBiQ-SA&feature=player_detailpage

 

 

0001シーズン

ODCome to My HouseDancin Fool」、FD「トッカータとフーガ」、EXSame Sun

 ここからの2シーズンが、彼らのキャリアの精華でしょう。当たりプログラムがつるべ打ちになってやって来るというか。ODは「良いけど地味」ではなく、明確に「地味だけど良い」の方向に来ていますし、何といってもFDにインパクトがある!リフトがどれも際立って独創的ですが、それらを効果的に使い、彼らならではの細やかなステップワークも織り交ぜて、劇的に盛り上げていました。劇的!彼らにはなかなか使えない言葉ですが、使えて嬉しい言葉です。それから彼らがついぞ競技の中では見せてくれなかった、しっとり叙情的なEXもとても良い味です。

 

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=KravJIRE_J8&feature=player_detailpage

 

 

0102シーズン

OD「タンゲーラ/フラメンコ」、FDTurn! Turn! Turn!

 タンゲーラとは、タンゴに打ち込む女の子。その音楽を、かくも苛烈なスパニッシュダンスに仕立てた彼らに、心から敬意を表します。このシーズン、数多くのカップルが何かを勘違いしてアルゼンチンの方面に走ってしまい、タンゴをスパニッシュで踊れていたのは、彼らとマリナ&グェンだけだった。そしてその2作のうち片方がこれです。速さと激しさが、まるで炎!一転してガラス質の繊細さを持つFDでは、「ステップで情感を掻き立てる」とでも言うべき、彼ら一流の方法で、美しい音楽を奏でていました。ついぞ減点されることなく謎を残したルール違反部分については口を噤んでも、彼らの最高傑作になる一対です。

(振付:ヴィタリー・アルカディエフ)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=J_uAPfZA7KE&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=Xn72XujifZY&feature=player_detailpage

EXhttp://www.youtube.com/watch?v=iKp3X8aMyNQ&feature=player_detailpage

 

 

0203シーズン

OD「美しく青きドナウ/雷鳴と電光」、FD「ロックンロールメドレー」

 ステップは楽しい、美しいということを、心から思い知らせてくれるのが、このODの、特にポルカ部分。機会があったら一度、カルロス・クライバー指揮、オットー・シェンク振付のオペレッタ「こうもり」DVDを観て下さい。「雷鳴と電光」が、このプログラムとほぼ同じ速さで演奏されています。でもそれは、音楽についていけない人々が七転八倒するシーン。フロアでは、この速さでは駆け抜けられない。そこを軽々と超えていく爽快感が、このプログラムの肝です。ただFDは…うん、高度なことを色々やっているのは分かる。だけど、何で突然これなの?という思いに駆られますよね。彼らに似合う表現では、絶対に無い。集大成に選ぶのに、よりによって何故この、最大のハズレを…という(号泣) 最後の最後で最大の「ハズレ」をやらかしてしまう、そんなところも含めて彼らだとしてもね。

(振付:ナタリア・リニチュック)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=aUlBmtREmjI&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=vdPPe6X7sPE&feature=player_detailpage

 

inserted by FC2 system