エレーナ・リアシェンコ(ウクライナ)

【主な成績】

98長野五輪9位、02世界選手権5

 

 「ただ華やかなだけでない、貴女のスケートが好きです」――というCMが、長野五輪の頃にありました。そのキャラクターはずばり彼女だったわけですが、当時ではなく、キャリア後半の5年くらいにこそ、私は彼女に、この言葉を贈りたい。正直「華やかなだけ」の時期もありましたから。でも、そこを抜けて、芯の通った強さを身に着けた。決して妖精ではありえない、優雅だけど、しなやかさも強靭さも持ったスケーター。そして、確固とした現実感を持つ美しいスケーターだったと思います。

 

 

9798シーズン

FS「美しいガラテア/ラ・ボエーム」

 CMで話題の選手で、確かに美人だけど、動きにちょっとクセがあるなぁ、そんなにいいかなぁ…という程度の印象で終ったシーズン。人がファンになるタイミングでは絶対食指を動かさないのは、子供の頃からだったみたいです(苦笑)

(振付:マリーナ・アミルハノワ)

 

http://www.youtube.com/watch?v=NN2Fp_F3yW0&feature=player_detailpage

 

 

9899シーズン

SP「ラフマニノフのピアノ協奏曲」

 地味―に、意外に、凄いプログラムかもしれない。上半身で弦、下半身でピアノの音を綺麗に取ってるんですよ。フィギュアが好きな限り、腐るほど聴かされる音楽だけど、彼女が1番綺麗に細かい音を拾っていたような気がする。最初は気付きもしないんだけど、段々と効いてくる何かを持ったプログラムです。

(振付:マリーナ・アミルハノワ)

 

http://www.youtube.com/watch?v=g5VvVMNZ-tE&feature=player_detailpage

 

 

9900シーズン

FS「グリーグのピアノ協奏曲」

 印象は、一言で言えば清楚で繊細。何ってことは無い振付ですが、全体的にすっきりしていて観易いし、その割に飽きないという、これまた地味にとてもいいプログラムです。

(振付:マリーナ・アミルハノワ)

 

 

 

0001シーズン

SP「グラスのヴァイオリン協奏曲」、FS「グリーグのピアノ協奏曲」

 FSは据え置き。SPは現代バレエのような動きが印象的で、特に腕の動きが面白い。いつもなら気持ちよく伸びていく腕を、敢えて無理に押し広げるような使い方が独特です。静かな音楽が、とても大人っぽく響いていました。

(振付:マリーナ・アミルハノワ)

 

FShttp://www.youtube.com/watch?v=AlnZa8c7pMU&feature=player_detailpage

 

 

01-02シーズン

SP「ショコラ」、FS「ピタンドロス」、EXHijo de la Luna

 彼女のファンになったのは、実はこのシーズン、しかも終盤の世界選手権を観ていて、でした。SPは歯切れの良いステップと軽快なテンポが印象的で「明朗快活」という感じの愛らしいプログラム。FSは…滑らかに空を舞う腕、綺麗なポジションでインパクトを作る肩、上半身だけでなく、全身に行き渡った振付が、とても魅力的でした。身体の中心にある力が指先までスムーズに届いて、とても自然に動きが生まれる感じ。色々な動きが散りばめてありますが、どれもとても自然。生命力に溢れたしなやかさ、歯切れ、繊細さ、滑らかさ――多くの動きが、ここしかないというポジションで的確に決まっている、観終わった時に上質のカタルシスを感じさせるプログラムでした。EXは哀しい物語ですが、柔らかさや優しさを上手く使って、語りかけるような動きが印象的。オペラのアリアほど朗々としていないところが、またいいのだと思います。

(振付:マリーナ・アミルハノワ)

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=_z3rVg6yc4A&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=vNDFf7oaQIY&feature=player_detailpage

 

 

0203シーズン

FS「タンゴ」

 クラシックと言うイメージを一新した、スタイリッシュで妖艶な作品。身体の使い方が上手いといことは、応用が利くということでもありますが、確かに彼女は、第一印象よりは遥かに触れ幅のあるスケーターなんだな、ということが分りました。タンゴらしい動きと彼女らしい動きが、実に無理なく融け合っていて、とても観やすかった。

(振付:マリーナ・アミルハノワ)

 

http://www.youtube.com/watch?v=cqV1zlbr7N8&feature=player_detailpage

 

 

03-04シーズン

SP「秋によせて」、FS「フリーダ」、EX「ロクサーヌのタンゴ」

 SPはマリアが世界チャンピオンになった時の曲だけあって、色々な思い入れがあり、女子の選手が滑る時には採点が辛くなりがちなのですが、彼女はよく自分のものにしていたと思う。同じように静かだけど、あの妖艶さではなくて、もっと清楚でしっとりとしている。250秒の中に、重層的に色々な感情が入っているんだけど、決して複雑ではないという、大人の女性ならではの深い表現が魅力的でした。FSも系統としては同じなんだけど、これには更に、情熱や悲哀が入りますね。奇を衒った振付ではないけれど、足元まで丁寧に行き届いていて、隙が無い動きです。EXは、昨季のFSから更に踏み込んで、凶暴な男性ヴォーカルにも負けないパワフルな滑り。いわくありげな眼差し、語りかけるように動く手足が、時折フッと動きを止めて、絶妙のタイミングで観るものを惹きつける。表現巧者のプログラムであり、大人の女性の雰囲気、と言えばあまりにも月並みですが、柔らかさもしなやかさも、真の強さやたくましさや艶やかさも、確かに備えたプログラムではあると思います。

(振付:マリーナ・アミルハノワ)

 

FShttp://www.youtube.com/watch?v=qP5gh-Scfgg&feature=player_detailpage

EXhttp://www.youtube.com/watch?v=kz7ZuHiTrSI&feature=player_detailpage

 

 

0405シーズン

SP「フラメンコ・ボレロ」、FS「フリーダ」

 何故かこの頃、時代は「ボレロ」の大安売りセールに突入した模様ですが、このアレンジを使ったのは、確か彼女が始めてだったかな。何ということは無いプログラムですが、目先を変えればまだまだ何とかいける、という感じ。

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=_Gbg6gGAuAE&feature=player_detailpage

 

 

0506シーズン

SP「ハナの瞳」、FS「ウェストサイド・ストーリー」、EX「シカゴ」

 SPは彼女の王道とでも言うべき、しっとりとして情感豊かな作り。アマチュアラストシーズンに相応しく、彼女に似合うものだけを厳選して組み合わせてある感じがしましたし、スラヴ特有の、センチメンタルさと力強さを感じさせる音楽が、とてもよく似合っていた。FSはやや意外な選曲にも思えましたが、とてもスタイリッシュでシャープな作り。ある意味この期に及んで、新しい魅力の世界だったわけです。そしてこの頃になると、旧採点で育った彼女が、あくまでも自分らしさを貫こうとする動き、あるいはもうそれしか出来ない、という動きが、新鮮にさえ思えていましたね。EXもスタイリッシュですが、元々そんなにお色気を振りまく方ではないので、動きは敢えてフォッシースタイルから外してありました。でも、間違いなく、彼女の感性で捕らえた、この音楽の世界。こういう表現が出来るスケーターだからこそ、私は彼女が好きだったんです。

 

SPhttp://www.youtube.com/watch?v=c9Jyl6dXaiM&feature=player_detailpage

FShttp://www.youtube.com/watch?v=Te_LM82pVHk&feature=player_detailpage

 

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