カティ・ヴィンクラー&レネ・ローゼ(ドイツ)

【主な成績】

02ソルトレイクシティ五輪8位、04世界選手権3

 

 際立って独創的でありながら、決して小難しくはない。ポップで明るく、軽快で、明快。そんなカップルです。毎年、異なった挑戦をして楽しませてくれる一方、観難いことをやったことは1度も無いんですよ。ポジションがハッキリしていて、動きの歯切れが良くて、何をやってもセンス良く、小洒落た見せ方を心得ていた。何よりも明るくて、サービス精神があって、多彩な引き出しのどれを開けても、エンタテイメントとしてバツなものは入っていなかった。それは、独創的であることと、時には相反する持ち味のようにも思いますが、彼らはそのふたつを、いつも軽やかに両立させていました。

 

 

9798シーズン

ODStuff Like That」、FD「ロミオとジュリエット」

 ODのジャイブは彼らの基本であり原型。この音楽とは、アマチュアラストシーズンにもう1度出会えますが、とても良い意味で合い通じるものを感じます。FDはプロコフィエフの音楽ですが、物語ではなくて、音楽の持つ重くてやや前衛がかった部分を表現するプログラムのようです。際立って印象的な前半と後半の音楽のインパクトと、不安を掻き立てるような中盤のスローパートのコントラストが大胆。そして、リフトなどの大技もかなり大胆で、順位(10位前後)の割には冒険している印象です。

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=KlgqzHrKni8&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=sLLh1tM0tFg&feature=player_detailpage

 

 

9899シーズン

FD「イン&ヤン」

 韓国の音楽を使ったFDですが、西洋人がこれをやるとほぼ間違いなく「東洋人から見て爆笑もののエセ・オリエンタル」になるのが定石ですよね。私が韓国人だったらまた別の印象を受けるのかもしれないけれど、彼らのこのダンスには、あんまりそういうわざとらしい動きが入っていない気がします。ただ、彼らなりに考えた、この作品に合う動きがあるだけ。ダイナミックな大技も色々入っていますが、すべてが軽やかで、柔軟性以上に柔らかいイメージを残す、面白い振付。珍しい音楽を使いながら、それはあくまでもアクセント、アイデアの範囲に納めて、彼らの味で通しきったプログラムかもしれません。

 

FDhttps://www.youtube.com/watch?v=dQaO2PnnZgI

 

 

9900シーズン

FDTime goes Millenium

 テーマは「未来へ向かう時間」。彼らの作品の中でも際立ってポップでアヴァンギャルドな作品でしょう。衣装には大きく時計が描かれ、全身を色々な風に使って、振り子や秒針など、時計モチーフの動きを繰り返します。でも、音楽も振付も非常にキャッチーで明るく、軽やかでスピードが感じられる。それもある意味、テーマを象徴しているのでしょうか。アイデアとして秀逸で、エンタテイメントとしても充実している。そんな彼らの持ち味を最大限に活かしきった名品だと思います。

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=yKnDK32slac

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=LQW7T7EdELE&feature=player_detailpage

 

 

0001シーズン

OD「キャバレー」、FD「メッセージ・オブ・ホープ」、EX「タンゴ・アルゼンチーノ」

 ODはリフトで始まりリフトで終わりますが、それよりも軽快でコミカルなフットワークと、氷に出る瞬間から始まっている、芝居部分が魅力。長身を活かしたダイナミックな振付ですが、不思議と愛嬌があって可愛らしい部分が印象に残ります。FDはシンプルだけど何とも健全なステップワーク。彼らの中にあってはとてもオーソドックスで、そのことが却って新鮮な印象として残る作品です。EXはとってもお洒落なタンゴ。ドラマを観ているような洗練された雰囲気と振付、EXながらに派手なことをして誤魔化すんじゃなく、ステップできちんと見せるという心憎い演出。コミカル系が多い2人ですが、その気になれば十分、2の線行ける美男美女なんです。

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=0pOPX09rUhQ&feature=player_detailpage

FDhttps://www.youtube.com/watch?v=A03C1d5mtXs

 

01-02シーズン

OD「ハバネラ/マラゲーニャ」、FD「ラグタイム」

 ODは、妖艶なタンゴと歯切れ良くいなせな印象のフラメンコのバランスが良くて、華やかな作品。ステップの刻みや大きなリフト、長身を存分に使った踊りなど、240秒の中でも見せ方の幅が広い作品です。一転してFDは、衣装のせいもあるでしょうが、おもちゃの国の、踊る人形のよう。軽快で、コミカルでキュートで、でも粋でお洒落で、どんなに派手なことをやっても軽やかで。ここが見せ場!という派手なハイライトはありませんが、満遍なくどこも楽しい作品と言えるでしょうか。彼らの滑りのクリアさが、思い切り振付を活かしている作品でもあります。

(振付:クリストファー・ディーン)

 

OD: https://www.youtube.com/watch?v=ZaaDvHGjNsI

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=ck5nc029Y1s&feature=player_detailpage

 

 

0203シーズン

OD「ベルリンオペレッタメドレー」、FD「エナジー」

 ODでは、そのままウィーンのニューイヤー舞踏会にいけそうな「ベタベタ」の衣装にまずクスリと笑える。ダンスそのものは、マーチ、ワルツ、ポルカとテンポ良く繋いでいきますが、見ていて思わず手を叩きたくなるような楽しげな雰囲気、ついこちらまで踊りだしてしまうような、純粋な踊る喜びが満載されています。FDはテクノポップの音楽に合わせたロボットマイム。彼らの歯切れ良くシャープな動きが、テンポの良い音楽に最大限に映えます。大柄で、することもダイナミックなんだけど、どのポジションにもパッと入って、入った瞬間には決まっていて、パッと出て次の動きへ移行出来るのが、軽快という言葉になるんでしょうね。因みにこのロボットは、古めのSFに出てくるような、いかにもな外見のあれでしょう。じゃなかったら、こんなにベタベタな動きはしない筈(微笑)

(振付:ケリー・ジョンソン)

 

OD: http://www.youtube.com/watch?v=w5ji16WetfE&feature=player_detailpage

FDhttps://www.youtube.com/watch?v=wWwi8X0sk4U

 

03-04シーズン

OD「ミュージカル・スウィング/ブルース・イン・ザ・ナイト/Stuff Like That」、FD「ナイト&デイ」、EX「スキャットマンボ」

 彼らのアマチュアラストシーズン。スウィング、ブルース、ブギウギと続くODは、彼らのこれまでのイメージである「正確でシンプル」というイメージを飛び出して、歯切れや小気味良さはそのままに、凝ったステップやホールド、意外性のあるポジションや、98年の五輪で使った懐かしいムーヴメントまで、多彩なものを散りばめています。でも、そうすることで、ユニゾンや正確性の気持ち良さまで倍増した感があるのは確か。明るくハジけた雰囲気が似合うのは、言うまでもないことです。FDは夜---昼という四部構成、夜がリフトで昼がステップという区分があまりにも見え透いていて、興醒め感は多少ありました。でも、彼らはここでも最後に、何かを突き破ったんですよ。彼らの演技は「高値安定」である代わりに、会心の出来というものもまた、無かったんです、これまで。それが、アマチュア最後の演技でその地点に達してしまった。そして、その勢いで、散漫な筈の構成を纏め上げた。そのことには本当に、胸踊り、ファン冥利に尽きるものを感じましたもの。EXは、とても彼ららしい、明るくダイナミックなラテンダンス。EXながらに手抜きの無い、充実したステップの逸品です。

(振付:ケリー・ジョンソン)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=MqmqZaqxDzA&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=fPmVsG1dmx0&feature=player_detailpage

EXhttp://www.youtube.com/watch?v=Eb3RBspGJFw&feature=player_detailpage

 

 

「ロックンロール・パーティ」

 これは彼らの没ODなんでしょうか?ショーナンバーとしては意外なくらいステップが充実しているので、ふとそう思いました。でも、そうやって見せていける健全さが彼ららしい。そして、ノスタルジックで、今見れば野暮ったいけど、往時はこれが最新流行でした、的なムードが、特にレネによく似合っていたと思う。

 

 

TWO STEPS AWAY

 情熱的なヴォーカルに合わせて、彼らには破格に珍しい、ドラマチックな演技。新作のリフトなども織り交ぜつつ、セパレーションの動きが多い、ドラマチックな表現を見せてくれました。そういえば、随分色んな引き出しを開けてくれたけど、こういうのはまだ無かった、というのを、プロの世界でもまだ見せてくれるのは、とても嬉しいことです。

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