ヤーナ・ホフロワ&セルゲイ・ノヴィツキー(ロシア)

【主な成績】

08世界選手権3位、09欧州チャンピオン

 

 その印象は、一言で言えば「鮮烈」でしょうか。出始めから、とにかく斬新なカップルでした。ペア並の身長差を逆手に取った、アイスダンスではありえなかったポジションや技の数々、女性の抜群の身体能力を活かした、極端な動き――時にはそれらを、露悪的なほど派手に使ってますが、そこまで徹底すれば、いっそ爽快。彼らのダンスはいつも、新鮮な驚きに満ちていて、次は何が来るんだろう、とわくわくしてしまいます。

 

 

0506シーズン

OD「ルンバ/チャチャ/サンバ」、FD「フラメンコ・ボレロ」、EX「シュマリック」

 ODの印象は殆ど無いと言っていいくらい凡庸でしたが、FDがあまりにも鮮やかで、彼らのイメージはここで定まったと言っても過言ではないかも。ある意味では選曲の勝利です。アレンジによって換骨奪胎され、あの異常な高揚感を無くしたことで、彼らは「ボレロ」の伝説からも、その他の様々なイメージからも解放されてた。その一方で、決してフラメンコ色が濃すぎもしないので、スパニッシュからも自由なんですよ。あとはただ、彼らの個性に従うだけ。ひたすら鮮やかに、際立って独創的に、風のように駆け抜ける様子は、まさしく「鮮烈」の一言に相応しかった。EXはアクセントの利いたダンスナンバーです。

(振付:イリーナ・ジューク)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=Oq8sfB1dGGo&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=gqj_YOW9Xtc&feature=player_detailpage

EXhttp://www.youtube.com/watch?v=egBB9v0NdBY&feature=player_detailpage

 

 

0607シーズン

OD「ジェラシー」、FD「恋のアランフェス」、EX「ストップ」

 ODは先鋭的で軽やかでアクロバティックで、ダンスとしてはとても面白いんだけど、これがタンゴかと言われると、恐らくそうではないでしょう。FDはオリエンタルな味付けの「アランフェス」で、それなりに独創的ではありますが、あまりにも鮮やかだった昨季と比べればやや地味かな。そして、彼らの初期の弱みだった「リフト頼み」を印象付けてしまった感もあります。多分、一番鮮やかだったのは、大胆な振付のEX。ヤーナは衣装も相当、凄いカッティングですが、あんまり厭らしい感じがしないのは、ラインが綺麗だからなんでしょうね。

(振付:イリーナ・ジューク)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=RX8jBQhV-6s&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=8RL5HkNg94Y&feature=player_detailpage

EXhttp://www.youtube.com/watch?v=tIGTwn29CPE&feature=player_detailpage

 

 

0708シーズン

OD「ふたつのギター」、FD「禿山の一夜/山の魔王の宮殿にて」、EX「黒い瞳」

 このシーズン、ODにロシア音楽を選んだカップルは多々いましたが、出色は彼らのジプシーダンスでしょう。ヤーナの情熱的な演技はジプシーそのものです。シーズン終盤からはスケーティングも一際磨かれて、スローパートの表現も充実していました。FDは悪魔を演じた作品ですが、独創的で大胆で、決して美的ではないかもしれないけれど面白い動きの連発。やりすぎと言うことも出来ますが、ここまで突き抜けて露悪的だと、いっそ爽快。何よりもテーマと音楽にこの上なく合った動きでしたし、今まで観たことも無い動きが次々と繰り出される様子は、見ていて文句無しにワクワクして、拍手喝采したくなる程度には楽しかったですから。EXは、ODとはまた趣を変えたジプシーダンス。ヤーナはこういう表現がよく似合いますね。

(振付:イリーナ・ジューク)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=rS-HvI3hJDs&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=YTuXjihd8Ac&feature=player_detailpage

EXhttp://www.youtube.com/watch?v=DZdT9IavcPk&feature=player_detailpage

 

 

0809シーズン

OD「リンディホップ/ブルース」、FD「カプリース/パガニーニの主題による狂詩曲」

 ODは、悪くは無いけど際立った印象は残らない作品。良く出来ているのかもしれないけれど、上位を狙うカップルなら+αが欲しいかな、というところでしょうか。FDはフィギュアではお馴染みの「狂詩曲」と原曲の「カプリース」を一緒に遣うという、ありそうで無かったパターンで、パガニーニとそのミューズを演じます。彼らにしてはシンプルなダンスですが、「フラメンコ・ボレロ」の時のあの鮮やかさを、今度は正攻法で演じている感じでしょうか。もちろん、いたるところにさり気なく、ヤーナの身体能力を活かした動き(ビールマンスピンとか)が入ってはいますが、それがハイライトというわけではなくて。それなりに気持ちの良い作品だったことは確かです。

(振付:イリーナ・ジューク)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=D2k_gewwUrE&feature=player_detailpage

FDhttps://www.youtube.com/watch?v=rxLVSkF0jrM

 

 

0910シーズン

OD「黒い瞳」、FD「火の鳥」、EX「ホテル・カリフォルニア」

 五輪シーズンだけあって、ODFDもロシア・テーマで貫かれたシーズンでした。ODは豪奢な衣装と、随所に散りばめられたロシア・フォークロアのポーズがいかにも愛らしくて、まるでお人形のよう。ただ、以前同じ課題を課された時に、彼らの必殺技である「ジプシーダンス」をやってしまったのは痛かったかもしれない。このプログラムも良いですが、相対評価で落ちるかなと。FDは、特にヤーナの存在感が、まさしくそのもの、ファイヤーバード。軽やかで、しなやかで強靭で、燃えるように華やかで。柔軟で独創的なポジション、アクロバティックなリフト、強いアクセント、すべてが彼らの王道=アイスダンスとしては邪道ですが、気持ちよくピタッとはまった感じがあって、観ていて爽快なダンスです。何気にハイライトなのは、1番最後の追加のリフトかな。EXはイーグルスの名曲ですが、この曲をこんなにドラマティックに、遣る瀬無く表現出来るものだと驚かされます。でもこれも、ヤーナの存在感たるや大。ここでの彼女は、艶やかで憂いありげで、でも決して儚くもか弱くも無くて、独特のオーラがあった。そして、火の鳥の時も、夜の女の時も、すべてを受けて負けないパフォーマンスが出来るノヴィツキーが、実はかなり凄いんだと思う。何度でも感じることですが、この時もついまた、思った。

(振付:イリーナ・ジューク)

 

ODhttp://www.youtube.com/watch?v=ZHkB6i2pVcQ&feature=player_detailpage

FDhttp://www.youtube.com/watch?v=afpdYiF1Fb4&feature=player_detailpage

EXhttps://www.youtube.com/watch?v=eaXK0N06ofg

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